*武士の花*~花は桜木、人は武士~
置屋に戻って、目を冷やした

泣くと目が腫れるなんて、知らなかった


「桜!?入るよ」

「椿~返事してない」


10歳年上の椿は、本物の姉のようだ


「やだ!何、その目!!
助平に何かされたの??」

「逆!!私が泣いて、お世話になった」

「嫌なこと言われたの?」

「ううん、椿!!私ね、助平に恋をしようと思う!!凄く、いい人なの!
優しいし、大事にしてくれるし
桜が咲く頃、身請けして貰う!!」



「桜……何かあったんでしょ?
どうして、急に!?」


「幸せになりたいなって……ダメかな?」


「駄目じゃない……幸せになって欲しいよ!?だけど、助平でいいの?」


「蒼介さんがいいの!!
お嫁に行くまで、体を求めないって!」

「最初から、その約束破ったの誰?」

「あ?蒼介さん…」

「ふふっ 桜が、積極的なのは、珍しいね!応援する!!」


「ありがとう!!椿!!大好き!!
ちょっと、出かけてくるね!!」


「はいはい」



近藤さんに、秘密を打ち明けた後

椿にも打ち明けた


たぶん…


弘吉を牡丹天神の専属にしたのは、椿



見る目がある!!


椿のおかげで、弘吉は新しい恋へ


俺も、前に進もう







< 54 / 291 >

この作品をシェア

pagetop