*武士の花*~花は桜木、人は武士~
廊下に座り込み


目を見開いたまま


静かに涙を流す、渉



「渉……来いよ」



弘吉が呼ぶけど、渉は首を横に振る















近藤さんが、渉の肩を抱き、横に座る



「すまない……」












近藤さんが渉を無理やり、慶太郎のそばへ


「武士として、立派に民を守った
君の友達は、慶太郎は、素晴らしい武士だったよ!」



弘「新選組に入ると決めた時から、いつか……こうして、散るときが来ることは
覚悟してたよ…渉と一緒で、無茶するし
慶太郎は、やり遂げたんだ!
渉… 慶太郎は、立派だよな!!
俺は、鼻が高ぇよ!!」



「どんなに、立派でも……
死んだら、一緒に酒も飲めねぇよ!!
勝手に先に行くなよ!!
約束どおすんだよ!!
慶太郎は、俺を守るって言ってたじゃねぇかよ!!
仲直りだって……してないのに……」


渉は、慶太郎をぶんぶんと揺さぶるが

もう


慶太郎が、目を覚ますことはない







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