*武士の花*~花は桜木、人は武士~
手を引かれ、壬生寺に連れてこられた


「少し待っててや?」


報告に行ったんだろうな



寒いわけではないのに



カタカタと体が震える












「初めてやってんな… 堪忍な…
すまんかったな… ありがとうな…」










戻って来た
山崎さんは、優しく抱きしめてくれた











急に恐怖が甦って、涙が溢れてくる


山崎さんが無理やり、口づけしてくる


桝屋と重なって、抵抗するけど


「怖くないで?大丈夫!な?」


涙は、止まらないけど恐怖は、減った



どれくらい口づけを、交わしたかわからないけど、すっごく恥ずかしくなった


「今さらかい!!」


おでこをぺちっと弾かれ


「送るわ」




山崎さんに送ってもらい


こっそり、置屋に戻った


体を洗い流し、鏡で体を見るとたくさんの跡があった








また泣けてきて、着物を着て、布団に潜る




芹沢さん…早く迎えに来てよ!!




楓!!蒼介さん!!慶太郎!!


誰でもいいから!!お願い!!











どうして、誰も助けに来てくれないの?




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