*武士の花*~花は桜木、人は武士~
「不思議なんですよ
アイツが死んでから、見えるはずのない
過去のことや少し先の事が見えるんだ
土方さんの刀…鐔が、七夕でしょ
アイツ、死ぬ間際それに気づいたんだ
俺は、それを探してた
芹沢さんが教えてくれたんだ
あの日、芹沢さんに土方さん達の計画を教えて、逃げるように言ったんだ
芹沢さんは
『土方は、裏切らぬ!ここには来ない!』
ってずっと言ってたよ
俺も信じたかった
『土方を怨まないでくれ、俺を殺し
土方への怨みを晴らしてくれ』
芹沢さんは、土方さんを守った
新選組に、土方さんが必要だから…
俺もそう思う
だから… 
貴方を好きでいることをやめます
俺の半分を奪ったから…
土方さんは、俺がどこかで元気にやってるって、気楽にしてくれよ」



声の代わりに、ずっと涙が止まらなかった

俺が、渉の妹を奪ったせいで

渉は、妹の分も2人分生きて、今度は

自分の人生を捨て、妹の人生を生きる?


「色男ってのは、泣いてても様になるな」


笑いながら、俺の涙を拭ってくれる

渉が少し、驚いた


「俺も土方さんに斬られる」

「そんな…!!絶対ねぇよ!!」

「見えたんだ… 」


「信じねぇ!!俺は、渉が好きだ!!
渉を斬ったりなんてしねぇ!!
勝手にへんなもん見んなよ!!
ばかやろう!!俺の許可無しに、身請けとかされてんじゃねぇよ!!」


子供並みの駄々をこねる


「京の街が燃える
土方さん…
それを止めてくれたら、身請けを断る」


「わかった!!」









俺が変えてやる

信じねぇ!!

街も守る!渉も守る!新選組も守る!





俺が、守る!!












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