*武士の花*~花は桜木、人は武士~
「アホやろ… ホンマ
身請けて… 世話人ですむと思てんの?」
「思ってんだけど?」
「自分… 警戒心なさすぎる
変態やったら、どないすんねん」
「山崎さんみたいな?」
「変態ちゃうわ!!」
「よく言うよ!!
普通、人を慰めるのに接吻はねぇだろ!」
「慰めたつもりはないで?
俺は、好きやと思ったからしたんや
あかんかった?」
「 …… 」
「なんか言えや!!」
「……う~ん、ないな」
「なにが?」
「山崎さんを好きに、ならないなぁって」
「しばき倒すぞ!!」
「へへへっ ごめん」
「ええよ
長期戦は、覚悟のうえや!
少しくらい意識せえ!」
「してるよ! ・・・ 一応」
「身請けとかやめろや…
俺、本気やからな…一応やのうて
ちゃんと意識せえよ」
盗み見るつもりは、なかった
しかし、山崎と渉が2人でいるのを見てしまい、潜んでしまった
だから…
また、山崎が口づけするのを見てしまった
軽く触れて、離れた
「好きになってや? 待ってんで?」
赤くなり俯く渉を抱きしめ
「大事にする」
山崎は、積極的にかつ、控えめに
渉へ気持ちを伝えた
こんなふうに、一歩づつ近づく方法を
俺は知らない
きっと、知らなかったとはいえ
渉の心に土足で、無理やりはいった
〝 貴方を好きでいることをやめます 〟
そんなこと言われても…
渉が好きで…
嫉妬して
苦しんだ
渉が誰かのところに行くなんて、考えられない