*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~渉~



山崎さんは、寝たふり……


「こっそり見てるなんて、どうかと思う」


そう言うと、目を開け


「副長が恋敵かぁ……あかん
色気は、負けたわぁ~」


他は勝ってるつもりかよ


「聞いた通り、身請けしてくれる人を好きになるから!山崎さん…俺が土方さんに斬られても、土方さんを怨まないでね」


「もう見るなや…
先のことより、今やと思うで?
なぁ?身請けとかやめや?」


今度は、山崎さんに口づけされてしまう



山崎さんの手が、体を動くと

ビクッ


「ほら、こわいんやろ?」


知っててするんだから、意地悪だと思う


「べべべべ別に」

「噛みすぎやん…ははっ
ほな、俺がもろてもかまわんか?」

山崎さんが、首筋に顔を埋めてきた


「かまう!かまう!ダメダメ!!」

「ええやん?」

「駄目だって!!」

言ってるのに、着物をずらされ
サラシを巻いているとはいえ、恥ずかしい

両手を抑えられ、胸元にチクン


「よし!これで大丈夫や!!」


なにが!?



「コレ見たら、襲われることもないで!」



まさか…



の、口づけの跡



「礼はいらんで!」

「やるか馬鹿!!」

「俺とおるときは、男でおらんでええ」

「女だと、襲われそう…」

「合意なしで、襲う変態ちゃうわ!!」

「素質は、あるよ」

「おまえなぁ……てか、渉やのうて七重て呼んでええ?2人の時だけ」

「……いいけど、気をつけてよ」

「わかった」


嬉しそうに、ニコニコ笑って


また口づけをされた













なんか……土方さんと山崎さんには

勝てない







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