幼なじみはアイドルの先輩
「ひょっとしてさ、愛結さんって……」


「何?」


「愛結さんってもうーー」


「はい!ストップストップ!ここまで〜」


とっさに杏のお喋りな口を塞ぐ。


何の真似か、両手ブラブラさせて抵抗のつもりのはずなんだけど笑えてくる。


「その話はもうやめよう。踏み込んじゃったら、あたしらのメンタルがさ」


杏がおとなしく首を縦に振ったので、塞いだ手を離す。


何回も咳き込んで、水の代わりに水割りを一気飲み。


「ああ〜、死ぬかと」


「愛結の話はやめにしよ。ね!」


「なら、10秒以内に別の話題いきなさいよ」


「ちょっと、もうーー」


「はい!ワン!ツー!スリー!」


「もう、早いよ。そしたらさ、劇場メンバーのインディーズデビューはどうなの?」


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