幼なじみはアイドルの先輩
「アイドルは10年で終わる公算が高くなったが、タレント業や劇場チーフはどうするんだ?」


「…………タレント業は細々とやってくしかないだろ。うしおさんがもうお気に入りだし、あの牧村君や渋沢監督も目をかけてる。渋沢組のスタッフから連絡きて映画オファーがあった」


桂木は大きくため息をついてソファーにふんぞり返った。


「今になってまた渋沢監督か」


惹き付ける何かがあるって言うのか?


この5年でかなり距離を縮めたと調子に乗ってたが、浮わついてたな。


「劇場チーフは……俺は続けても別に構わんぞ。アイドルを終わらせるのが優先だしな」


「俺はてっきりセットだと思ってたんだがな」


「現状把握は俺がこの目で確かめないとな。よく慕われてるのがわかった。ついでに劇場公演も観させてもらった」


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