幼なじみはアイドルの先輩
「ただいま〜。珍しいな」


ケーキでも買ってきたわけではないのに、奈未が俺の帰りを待ってる。


「どうした?学校で何かあったのか?」


「…………あのさ」


「うん」


「…………私さ、アイドルのオーディション受ける」


「…………奈未…………」


「私、真剣に考えてる。パパの迷惑にならないように頑張るから」


「奈未……、立派にエイプリルフールの役割を果たしてありがとうな。ママが奥で笑わなかったら完璧に騙せたのにな」


奈未が悔しさを全開にして、リビングへ走っていった。


奈未の一方的な口撃に食器を洗いながらやり過ごしてる。


「その嘘は絶対バレるってママは言いましたよ」


「ママが笑わなかったら引っかかったんだよ。もう!」


< 1,095 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop