幼なじみはアイドルの先輩
それでも、2人はプロ意識を見せて、百合は涙声だったけど歌いきったし、杏も痛みを顔に出さずギターを弾きこなした。


歌い終わった百合はまた号泣。


いままで我慢してたものが一気にきてる。


そんな百合を会場が一体となって励ましてたのが、私にとってはこれ以上ない素晴らしい光景だった。


コンサート終了後、自宅に帰ると杏からありがとうってメールが来てた。


素直に感謝しない人に普通に感謝されちゃうと、恥ずかしくなるね。


そうそう!手紙を読まないと。


愛結は私に何を言いたかったのか……。


ハサミで切って、封筒の中から便箋1枚を出した。


『ゆかりちゃんへ。私はもうじきデビューするけど、今は最後のレッスン中で声が出ないので手紙を書きます。みんなに迷惑かけてごめんなさい。私の大好きなガーネットグローブがいつまでも続いていることを遠い地で願ってます』


…………布団の中に潜り込んで読んだ。


…………最後の最後まで外国にこだわり続けたあなたは素晴らしいよ。


私の手紙ぐらいはレッスン中だって書かなくてもよかったんだよ?


愛結、聞いてる?


どうして……本当のことを…………。


…………今度は私が号泣しそう。


朝起きたら、枕がびしょびしょに濡れてるかもしれない。


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