幼なじみはアイドルの先輩
だけど、私に振らないでください。


やっぱトークスキルを磨かないと先輩たちに可愛がられないよ。


「こんな時にめいっちや菜穂とかいないんだから」


マスクで声が少しこもり気味の愛結さんが私に近づいてきた。


「ごめんね。風邪ひいてたから予防のためにマスクしてるの。お互い頑張ろうね!」


少し辛そうな感じの愛結さんだけど、手を握られた時の手の力とつぶらな瞳の眼差しは強かった。


「あ!そうだった!今藍ちゃんに教えてもらったゲームしてるんだけど、なかなか難しくて」


「彼女はプロですから」


綾女があおるとは。


藍が綾女に耳打ちしてるのわかってたぞ。


「いいですか?」


涼さんにスマホを見せてもらい、サササッと。


「うっそ!凄い」


「あたしも」


杏子さんと愛結さんもスマホを出してきたので、同じく一瞬で。


2人顔を見合わせて絶句してました。


「あ〜!これめいっちかなりハマってるのに〜」


涼さんのご希望に叶えたいんですが、真帆さんが手招きしてますのでタイムリミットです。


「なかなか打ち解けるの早いね」


「武器があって助かりました」


真帆さんに今度教える約束をし、劇場へ向かいました。

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