幼なじみはアイドルの先輩
「ま、あとは、あたしのお気に入りのあの子ですけどね」


そうか……あの子はひかるのお気に入りになってるんだ。


「早く選抜祭やってくんないかなあ。その日の前後はガーネット関連の仕事しか引き受けないって前からマネージャーさんに言ってるし」


「そうなんだ」


「引いてる?」


「引いてないよ。ひかるがゲストとして来てくれれば盛り上がるし」


「あたし目当てで盛り上がっても意味ないじゃん。盛り上がるのは、何と言ってもーー」


…………ん?


薄暗かった店内が急に明るくなった。


「これから、ご当地アイドルさんたちの出張ライブが始まるんですよ」


コップを黙々と拭いていたマスターの渋く低い声がドキドキさせる。





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