幼なじみはアイドルの先輩
ため息をついたママが次に取り出したのがサプリメント。


あろうことかブルーベリーだ。


ママはコップに水を入れてブルーベリーを飲んだ。


私としてはあまり見たくない光景だった。


「そろそろ30の足音も聞こえてるよ」


「あたしにそんな音は聞こえてないなあ」


言葉とは裏腹に、私の身体はすごく正直だ。


疲れが取れにくくなってきた。


劇場で歌って踊ってるけど、公演終わりに旧事務所で寝そべってる時間が急に長くなった。


4、5歳若いアマゾナイトメンバーはケロっとしてるのに。


「ママには芸能界のことわからないけど、そろそろ歌って踊るの辛くなると思うんだけど。あなたが大丈夫ならそれでいいけど、30歳は1つの区切りだから、自分を見つめなおすいい機会……あら!!真面目にアドバイスしてる」


ママは亨おしさんの自宅に向かうとのことで、ご丁寧にアイスコーヒーと水を飲んで行ってしまった。


テーブルにブルーベリーを忘れてるし。


三十路の準備備えとく必要大いにあるね。


このブルーベリーはいただきます。








< 1,730 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop