幼なじみはアイドルの先輩
終了後、男性アナウンサーと軽く握手をして真帆さんの元へ。


終わった後だから、周囲は異様な興奮に包まれていた。


「お疲れ様~」


いきなり真帆さんが人目もはばからず私をギュッと抱きしめた。


真帆さんのキャラじゃないのに…………。


「もう完璧!!さすがよ」


「真帆さん、泣いてますよね?」


「あなたこそ」


「私が?いや、汗だと思いますよ」


笑顔で否定はしたが、口実を作ってトイレに行くことに成功した。


…………そんなつもりなかったのに、よく鏡で見ると涙の跡があるみたい。


いつ泣いたんだろうか。


…………誰か来る。


とっさに隠れる。


ずいぶんと賑やかなご一行だなあ。


「総帥からLINEきたよ。杏ちゃんのラジオは最高だったって」


そうすい……。


ガーネットメンバーですか。


この声は藍那の声っぽい。


「もう本人帰ったのかなあ~。小山内さんの姿もないし」


「杏さんには劇場とアマゾナイトあるから」


「そうだね。後で何か差し入れでもしようか」


佳英と美月がいるのか?


なんていい後輩なんでしょう。


ウルウルきて出られなくなったよ~。


新年はしばらくトイレで1人泣かせてください。





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