幼なじみはアイドルの先輩
日付はすでに新年を迎えてる。


公演終了後の楽屋では、メンバーがステージ衣装のまま菜穂の元に集まっていた。


瑠花の涙はしばらく枯れることはない。


「そんな泣かない。リーダーはシャキっとしてなさい」


そう言いつつ、瑠花の手をがっちり握ってる。


もう少しこの場にいて菜穂の卒業を惜しんでいたいが、新年早々お仕事が入ってるのでここまでだ。


移動中の車内で杏からメールが来てるのがわかった。


『無事に終わった?』


『感動したよ。そっちはどうだった?』


『我ながら完璧でした!!今からいいことありそう。お休み』


杏はこれから夢の中か。


興奮してそうだから、メールが大量に来る予感がする。


「コンビニ寄るけど、何かあるか?」


「うーん、ケーキ……じゃなくて、ドリンクを」


「了解」


神田さんが白い息吐いて中へ入っていった。


正面の窓ガラスに滴がぽとりぽとり……。


雨か?


窓を開けて夜空を見渡すと…………、小さな白いのが…………。


久しぶりの雪じゃないですか。


…………冷たい風入ってきて寒いよ。


この降り始めた雪がどうなるか気になるから、仮眠はしないよ。


すぐにやむことにはならないでね。


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