幼なじみはアイドルの先輩
小山内も安西も2人なりに俺の引き戸事件を触れる気配を見せようとしないためか、メニューをにらめっこしてる。


「どうします?キムチいきますか?」


榊は開いたままのメニュー表を俺の手元に滑らせた。


「そうだなあ……」


腕組んで考えてるふりはしてるが、俺の腹の中ではもう決めてる。


「トマト鍋にするぞ」


メニューを閉じて呼び出しボタンを押した。


顔に出さないが、3人ともトマト好きなんだよ。


小山内の実家から送られてくるトマトは榊と安西によって消費されていく。


俺もトマトは嫌いではなかったが、痩せ始めてからはトマトを多く食べるようにしてる。


この場に好き嫌いが激しい久留米がいなくて大正解だ。


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