幼なじみはアイドルの先輩
それでも予定していた時間に自宅に戻ってくるのが、世の中の不思議な流れなんですよ。


「ただいま〜」


リビングに入るなり、娘の奈未(なみ)が俺の元まで走ってきた。


「パパ〜、おかえりなさい」


「奈未〜、ママのお手伝いちゃんとしてたか?」


「うん!したよ!」


「よ〜しよし。いい子だ」


だいたい帰ればこの後奈未の頬に軽く口づけするのだが、今日はすでにお客さんがいらっしゃるので頭を撫でて我慢します。


「お邪魔してます」


「お疲れ様。愛結、悪いな子守りさせてしまったか」


「いえいえ。奈未ちゃんと遊んでて楽しかったですよ」


「ほら、見てこの絵。愛結ちゃん絵上手なのよ」


妻の早苗(さなえ)がスケッチブックを手に取り興奮気味に俺に見せた。

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