幼なじみはアイドルの先輩
「ホント?」


「ホント」


「絶対?」


「絶対です。あたしの他に愛結さんも劇場専門チームに振り分けられるからよかったじゃん。葉月は愛結さん命でしょ?」


「はい!そうです!」


わざわざ手挙げなくてもいいのに。


「ほら、鳴ってるよ」


葉月の着信音はグループの曲だ。


知り合った頃から着信音の曲は変えるが、グループの曲をチョイスしている。


「……今から行く」


「早く彼のとこ行ってやりな」


「もう!夜なんだけどなあ」


ブツブツ文句言ってる割には顔が真っ赤ですよ。


「あたし行くわ。ポップコーンありがとね」


蓋を閉めてバッグに詰め込んでテーブルに置いてあった缶コーヒーを持って愛する彼の元へ行きました。


葉月は自宅から劇場まで自転車通勤してるけど、遅くならないか心配。


いつも髪を後ろに束ねている姿しか見たことないから、彼氏の前では髪を下ろしてるのかなあ。


彼氏がいないのに、親友の彼氏のことでああだこうだ妄想してしまってました。


< 218 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop