幼なじみはアイドルの先輩

呼ばれたのはオーディション受けた子らの控え室。


今の今まで自分の人生賭けてた場所だけあって扉開けただけで熱風が吹き抜けてきた。


「失礼しま〜す」


遠慮気味にトーンを抑えて中に入った。


社先生が電話中でしたのでその場で電話が終わるのを待ちました。


遠くからオーディションに合格した子らと思われる笑い声がかすかに聞こえてくる。


鍛えようがあるよね。


アドリブ弱いくせに、無邪気に同期生とじゃれ合えるんだからね。


社先生は何か不満顔で電話を切って、舌打ちして何か呟いた。


「……お疲れさまでした」


「……おう！悪いな呼び止めて。立ったまま話そう」


「はあ……」



社先生はジャケットのポケットに手を突っ込んで深くため息をついた。