幼なじみはアイドルの先輩
この時点ではまた何かオーディション関係でまた変な思いつきを私に披露するんだろうと思ってた。


そうなったらそうなったで社先生に強く意見する心構えはあった。


しかし、一向に社先生が何も話してくれず、室内をぐるぐる歩き始めた。


「あの……先生!?」


この時は、自分でもヤバいと自覚するほどイライラが相当溜まってた。


男ならビシッと言え!!


口に出なかったのが救いだった。


「あのな……、卒業するんだ」


歩きながらやっと社先生が言葉を発してくれた。


ああ、選抜祭前に卒業していく子がいるんだあ……とね。


「断腸の思いでひかるが卒業したいとの申し出を許した」


まず浮かんだのがどこのひかるかってことだった。


学校の生徒?


それとも知り合いの社会人?


いろいろと頭の中で思い描いたけど、こんな時期に卒業したいって言えるのは……私たちがよく知ってるひかるだ。


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