幼なじみはアイドルの先輩
「見事連覇を達成したひかるちゃんのスピーチ。我々は今度は黙って聞きます。皆さんのご意見は引き続きお待ちしております」


スポットライトがひかるさんを照らしてる。


この場で言ってしまうのかなあ。


ゆかりがハンカチ手に持ってるってことは、総帥には事前に伝えてるのかあ。


今さらあれこれ詮索してももうどうにもならない。


しっかりスピーチを聞くだけです。


「こんばんは三沢ひかるです。2年連続1位という順位に導いて下さいましたファンの皆様、ありがとうございます。この1年私は必死に前へ前へ突き進んでいきました。1位とはどういうものなのかも自ら身体で体感もしてきました。あまりに辛くて部屋で思いっきり泣きそうになったこともありました。だけど、グループが長く愛し続けられるようになるには、私がやるしかない。私を応援してるみんなのためにと言い聞かせて無我夢中でここまできました。私は口下手だから、メンバーのみんなに背中で訴えることしか出来なかったけど、みんなついてきてくれてありがとう。戦うグループにレベルアップしたと思います。私は……」


ひかるさんが言葉に詰まった。


マイクを手に取り、ステージを少し歩いた。


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