幼なじみはアイドルの先輩
冬でも秋でも駅裏は人影がほとんどない。


まだ残暑厳しいから……ではないよな。


シャッターの群れが、わすかな風でガチャンガチャンと不快な音をたてる。


あいつのカフェも仲間入りかと歩いていくと、準備中となってる。店内は明るいんだけどね。


ご愛嬌する余裕はあるってことは、しぶとく生き残ってるんだな。


「人いねーなみっち」


「平日の午前中に人なんか来るか」


経営がピンチって感じじゃないな。


でなきゃ、ケラケラ笑いながらテレビなんか観れないしな。


「バイトの子は平日いるんじゃなかったのか?」


「午後からだよ。朝からオッサンと2人っきりじゃすぐ辞めてしまうんでね」


< 329 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop