幼なじみはアイドルの先輩
「ごめんごめん。これがあたしの名刺」


香がおもむろに名刺入れから1枚出して俺の手元に。


「総務管理部人事課課長補佐……」


お堅い公務員の身分なんて頭がこんがらがるだけだよ。


「あなたに名刺なんてないよね」


「それがな、あるんだよ」


旅立つ前にとっさに詰め込んだんだ。


あるにはあるが、俺も統括プロデューサーのご身分だから似たり寄ったりだろうな。


興味深そうに眺めたあと自分の名刺入れに入れてくれたよ。


「あなたには感謝しないとね。20歳まで責任を全うしてくれてありがと」


「何を今さら。当然のことをしてきただけだ」


「来年3月末最後の振込でお願いします」


「危なくなったらいつでも支援はするからな」


「塩漬けになってるからたぶん大丈夫よ」

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