幼なじみはアイドルの先輩
俺の罪滅ぼしは金では解決出来ないことぐらいわかりきってる。


新たな段階の義務を果たすことになると思うが、そのハードルは限りなく高い。


「父親と名乗るのは俺と杏が芸能界を引退でもしない限り無理そうだな。いや、引退しても叶いそうにないか」


「あたしは、杏がいずれどこかで知ることになると思うけど、その時杏がどう決断するかだわ。もう子供じゃないんだから、どのような決断をしてもあたしはただ見守ることしかしない。でも、軌道に乗りかかってる時にバレてもらったら困る。お願いね」


「わかってる。亨も修も必死になって守ってる。俺もな」


「あ、今日って特番だったわね。テレビテレビ」


急に話題を変えてリモコンを眉間にシワを寄せて探し始めた。


俺の目の前にあるんだが……。


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