幼なじみはアイドルの先輩
「最近あなたのお気に入りが朝のテレビに出るようになったの知ってる?」


「え!知らない」


「普通に料理のアシスタントしてた。仕事って選ばないもんねえ」


「それが仕事だよ」


笑って軽く受け流したけど、内心私はムカッときてるんですよ。


かつて、一時代を築いて向かうところ敵なしだったのに、なんでって。


歌唱力抜群なのに。


このままでよかったのに、なんで脇道にそれてるの?って。


「ああ、終わった。よしよし。今日は歌詞間違えなかった〜」


ママはささやかな拍手をおくった。


ハプニングが起きるのも生の楽しみだからね。


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