幼なじみはアイドルの先輩
『俺も見たぞ!』


『あんたゆかり推し?』


『俺は断然ひっきー』


『めいっちだな』


『りょうさん!』


あーダメダメ!


朝から自分のアイドル推しなんか発表しなくてもいいんです。


これは巻き込まれる恐れが高いので、ひっそりと教室を抜けた。


晴れてるから屋上にでも行こう。


少し肌寒い風が吹いてるけど、雪がちらほら降ってるよりは過ごしやすい。


快晴だよ。


巣立ち行く日には申し分ない。


「あれ?」


ベンチにうなだれてる文を発見。


事情を知らぬまま、気安く声をかけてしまった。


私の呼び掛けに応じてくれない。


ベンチに座って文の肩を揺すりながら何度も呼びかけた。


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