幼なじみはアイドルの先輩
「文、いつ?どこで?」


「昨日ここで。好きです。付き合ってくださいって。そしたら、先生には他に好きな子がいるからごめんなさいって」


落ち着きかけたと思いきや、文がまたわんわん泣き出した。


もうすぐ最後の朝のSHRが始まるよ。


「文、そろそろ教室戻ろ。卒業式もうすぐ始まるよ」


「うん……」


水玉模様のハンカチで涙を拭いて真っ青な空を見上げた。


ゲーム好きの文が見せた恋する乙女の顔。


「つらいけど、これで思いきって引っ越せる」


教室に戻る途中に文がそう呟いた。


私も文と一緒の想いです。


これで吹っ切れて新たな道に進めるでしょう。


< 44 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop