幼なじみはアイドルの先輩
朝は某公共放送にチャンネルを回す理由がなく、どうやって言い訳しようかとリビングで娘を学校に送ってきたばかりの妻とつまらん会話してると、突然チャンネルを某公共放送さんに合わせてくれた。


「なんだ?急にテレビつけて」


「やっしー出るから」


妻の単純な動機のおかげで労せず娘のテレビデビューをしかと見届けた。


カメラ慣れは時間が解決してくれるだろう。


ラジオやトークショーで毎日確実に積み上げた力を大いに出してる。


これだけ落ち着いて喋ることが出来れば大丈夫だ。


テレビは問題ないが、俺にはどうしても府に落ちんことがある。


しかし、当事者の前では顔に出すのは無礼極まりない。


春になって初めて見舞いに訪れる自身の負い目もある。


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