幼なじみはアイドルの先輩
早口気味にまくし立てた後安西は咳き込んだ。


俺が背中をさすろうとしたが、安西は咳き込みながら大丈夫ですと言った。


「せっかく社先生にお願いして杏ちゃんをチーフにしたのに、このままじゃお飾りになるのが歯がゆいです」


安西の右手は今度は震えがなく、自分でマグカップを手に取った。


「久留米は良くも悪くも何でも1人で決めたがるからな。水原なんて眼中にないだろうな」


「社先生、杏ちゃんをお願いします。俺よりも運営能力ある彼女をいつまでも縛りつけて……ちょっと喋り過ぎました」


身近で共に仕事してきた安西の願い。


俺が求めていた答えは出なかったが、ある程度は受け入れたよ。


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