幼なじみはアイドルの先輩
「榊さん、函館の劇場責任者は誰になるのか連絡はあったんですか?」


榊さんのスマホが鳴って席を外したからもしやと。


「久留米さんからよ。来週から三井(みつい)君に任せるみたい」


「え……そうなの?」


あのー、お2人様。


私を置いて進まないでくださーい。


「誰なんですか?」


「今年グループの事務所に入社した社員。仕事は出来るけど、まだ半年も経ってないし、経験不足にも程がある」


榊さんは語気を強めてスマホをソファーに叩きつけた。


始めてみる榊さんの鬼気迫る表情。


私血の気が引いたよ。


「函館に劇場を作るのは社先生が強く希望してたのに、出だしからこんなんじゃ……」


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