幼なじみはアイドルの先輩
「もう1回あたしのも見てください」


「この間見たばっかりだよ」


「とにかく見てください」


押しが強いですねひかるさんは。


私たちはあくまでお客さんの立場だから、美登里さんは嫌でももう1度ひかるさんを見てあげないといけないんだね。


お客さん商売の宿命ってやつですね。


「……見たところ変わってないよ」


「……そうですか」


「杏ちゃんがあなたより生命線長いよ」


「…………え?」


まさかの美登里さんの言葉に自分の手のひらを見つめるひかるさん。


私の腕を引っ張り見比べてるけど、私から見ても私のが長いと一目瞭然だ。


揺るぎのない事実にひかるさんは天井を仰ぐ。


< 550 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop