幼なじみはアイドルの先輩
でも、自分から行動を起こすなでしょ。


運のいいことにトラブルにはギリギリ巻き込まれなく今まで生きてこれたから、他力本願のうちは無難な1年になりそうだ。


「私からは以上ですけど、あなたから何かあれば聞くわよ」


「私は特にないですが……」


あまりひかるさんに目をやりたくないんだけど、身体が勝手にそうさせる。


ひかるさんは瞬きもせず前を見据えていた。


だけど、見開きではなく鋭い視線だ。


マジで恐ろしいです。


「私も特にないです。ありがとうございました」


明らかに投げやり気味です。


「たまに遊びにいらっしゃい。人生の先輩として良きアドバイスがたまに……まあとにかくいらっしゃい」


「ありがとうございました」


「…………ありがとうございました」


聞こえましたよ。


踵を返すとき、小声でクソってつぶやいたのを。


…………ひかるさんのリベンジには喜んでお付き合いさせていただきます。


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