幼なじみはアイドルの先輩

「……すまない。興奮して椅子を倒してしまった」


やっぱり先生だ。冷静になるのが早い。


倒れた椅子を元に戻して座り直した。


私も同じテーブルに座った。


ここを愛結さんに目撃されない確信はないから綱渡りしてるようなものだ。


「……久しぶりだな。痩せたなあ」


「眼鏡をとれば私だってわかりますよ」


疑心暗鬼の飛鳥先生に確信を持ってもらうため眼鏡を外す。


「おお〜、どう見ても水原じゃないか」


「卒業式以来ですね。あの時は先生頑張れって言ってくださったのに、私が無視して走り出したんですよね。今謝ります。ごめんなさい」


「……そんなこと先生は全く覚えてないよ。忘れてしまってるから気にするな」