幼なじみはアイドルの先輩
ゆかりに適当な言葉が浮かんでこない。


俺自身も久留米に追い詰められる身なんだ。


何か言おうと思ったが、言葉をのみ込んでしまった。


器がまだまだ小さいねえ。


『先生に愚痴ってもしょうがないですね。朝からすいません。これから仕事なので失礼します』


ゆかりの鼻をすする音が聞こえて電話が切られた。


朝からどうにも出来ない無力感がズシリと肩にのしかかってくる。


家族には朝からシケた面を拝ませるわけにはいかない。


しかし、いずれ火の粉が降りかかってくると思うと……。


明日の見えない真っ暗なトンネルに放り込まれてるようだ。

< 684 / 2,020 >

この作品をシェア

pagetop