幼なじみはアイドルの先輩
運転する気力などあるはずもない。


地下鉄を利用して桂木の事務所へ足を運んだ。


こんな時に気づいたんだが、車より早く行けるんだな。


「何ブツブツ言ってんだ?」


入るなりソファーでスポーツ新聞読んでた桂木は俺の顔を見るなり怪訝そうな表情を浮かべた。


「また太りだしたからダイエットメニュー考えてたところだ」


適当な嘘だけは瞬時に思いつく。


これだけは昔の教訓がこびりついてるからな。


「香は元気だったぞ。わざわざ行く必要もなかったぐらいだ」


「そのお陰でお前に申し訳ないことしたな」


自覚してるようだな。


鬼の居ぬ間になんとやらを喰らってしまったんだよ。


「小山内に国際電話したよ。杏ちゃんにも知らせるつもりだ」


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