幼なじみはアイドルの先輩
「社さん、今回のオーディションなかなかの粒ぞろいじゃないですか?」


久留米は早速ビールを半分飲み、阿久津にジョッキを渡した。


「みんな個性がありそうですよ」


手際よく俺たちの皿に肉や野菜を振り分ける榊。


阿久津は久留米の半分残したビールをあっさり飲んだ。


自分の注文したジョッキの中身がなくなったのを確認した久留米は満足そうに頷いてタッチパネルを手に取った。


大好物の焼酎を注文する気なんだろう。


「お前的には12歳の子がドストライクだろ」


「もうバレてますか」


「お前の考えることはお見通しです」


タッチパネルで口元隠しても無駄だぞ。


12、3の子をやたら推すのが彼の流儀らしいのだが、今のところあらぬ噂は耳にしてない。

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