幼なじみはアイドルの先輩
「阿久津、俺はこれから水原さんと桂木エージェンシーに行くからロビーに来てくれと言ってくれ」


「わかりました」


慌ただしく阿久津が走っていった。


1週間前に買った新しい眼鏡をかけて俺はエレベーターで1階ロビーへ。


久しぶりに自分で運転するからキーと免許証を忘れてないか入念に確認。


タクシーでヘマやらかして騒ぎになればおしまいなので。


自販機でコーヒーを買ってその場で飲んでいると、阿久津にエスコートされて香が登場。


今日は髪を後に束ね、眼鏡をかけてる。


変なところで合ってんな。


「行きましょうか」


阿久津と別れて地下駐車場へ2人で向かう。


「その眼鏡どうしたんだ?」


「年には勝てない。それだけ」


誰もいない駐車場は俺たちの足音と声がこだまする。

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