幼なじみはアイドルの先輩
「あなたの車意外に普通なんだね」


駐車してある俺の所有する車を見た香の第一声です。


「車に大金注ぐ趣味はないからね」


都会は車なしでもその気になれば通勤出来る。


おまけに、道路が狭くてお話にならない。


有能な運転手に任せておいた方が仕事がはかどる。


今日はあっさりと道路に乗れた。


ここから桂木エージェンシーは渋滞なければ10分前後で行ける。


「あなたとこうして一緒に車に乗ったのは杏がまだあたしのお腹の中だった以来だったわね」


都会の高層ビルを横目に香が細々と言った。


「そうだな」


「今の奥さんともこうしてドライブしてんの?」


「忙しくてそんな暇ない」


「そうだよね。ごめん、変なこと言って」


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