幼なじみはアイドルの先輩
特別な渋滞もなく、俺が想定してた時間通りにほぼ到着。


桂木エージェンシー兼自宅。


正面玄関の右側に階段がある。


3階の自宅兼社長室と繋がってる。


1人分しかスペースがない階段を俺が先に上り香が後に続く。


まとわりつくようなジメジメした空気が漂う。


古びた扉の前に立て看板でノックしてくださいと書いてある。


一応ここが自宅入口。


ノックして向こうの反応は無視して中へ入った。


「やあ、香ちゃん、わざわざ来てくれてありがとう」


桂木エージェンシー社長の桂木亨(かつらぎ とおる)はソファーでスポーツ新聞を開いてハサミで記事を切り抜いていた。


「お元気そうで」


「杏ちゃんは?」


「今ホテルで説明会を」


「そっか。ま、座ってよ」

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