幼なじみはアイドルの先輩
いきなりマイクパフォーマンスを魅せたのは、おととしまでガーネットグローブのメンバーだった子だ。


ゆかりがよく面倒かけていて、俺のいる前でも期待をかけてたからこそよく説教してたな。


それが今や中心メンバーとして生き生きしてる。


これを見せつけるためにライブをしてるようなものだ。


さて、中盤あたりからサブローの舌打ちが止まらなくなった。


それに比べて俺はメモを取ってるんだよな。


律儀過ぎやしないかと記者たちはそう思ってるかも知れんな。


ライブ終盤のMCに入り、ついにサブローが席を立ち、俺も後を追う。


「こんなのが世間ではウケる時代なんですね」


サブローの背中は哀愁が満ち溢れていた。


「俺は間違った道を教え続けてたってことですよ」

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