幼なじみはアイドルの先輩
俺はともかく、少なくともサブローのメンタルが間違いなく欠けてしまってることは確かだ。


自分で運転してきたと言うが、考えすぎて事故でも起きようものなら大事だ。


「俺は大丈夫ですよ。知り合いがライブ観てるんで、一緒に帰ります。社さん、歩きでしょ?送りましょうか?」


「そうだな……悪いな。ダイエット中だから歩いて帰るよ」


小降りになってたので、ちょっと歩けば地下に降りることが出来る。


「わかりました。では、お気をつけて」


傘を広げた時にチラッと車に乗り込むサブローが目に入ったが、重しが足についてるのではないかと思うほどに重い足どりだった。


サブローの場合は、余計な慰めは逆効果になりかねないな。


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