彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「心配しなくても、変な水とか売りつけないからさ~」
「い、いえ!そういうことは思っておりませんので~」
(半分は当たってるけど~)
いや、でも、これは~
(瑞希お兄ちゃん、何を考えてるの~??)
「あら、瑞希君じゃない?」
ふいに、女性の声がした。
見れば、私達の進行方向から、着物を着た女の人がこっちに来ていた。
上品で、綺麗で、口元の北路にドキッとした。
和風美人だった。
「あ、水月(すいげつ)さん、こんばんは!」
「どうしたの?学生さんと一緒なんて?」
「いや、ちょっとこの子を保護してもらおうかって~」
「ああ、ヤンキーにいじめられた子?こんばんは、占い師の水月です。」
瑞希お兄ちゃんの後ろに隠れている私に、大人のお姉さんが微笑む。
顔を見られないようにしながら、頭を下げた。
それで綺麗な笑い声がした。
「あらあら、まだ怯えてるのかしら?でも大丈夫、ここは安全だからね?」
そう言って、私の頭をナデナデしてくれた。
(良い匂い・・・・)
彼女が動くたびに、お香のような香りが漂う。
気持ちがリラックスした。
私の肩を優しく叩いてから、瑞希お兄ちゃんが言った。
「あの、『あいつ』どうしてますか?」
「ナイスタイミングで、お仕事が終わったところよ。というより・・・・瑞希君が来るから、仕事切り上げたみたいね~」
「マジっすか?あの馬鹿は・・・すんません!」
「うちのことは、気にしなくていいわよ。ちょうど、瑞希君のお連れさん用に、救急箱を取りに行くところだったのよ。あの子の部屋で待ってなさい。」
「す、すんません、ありがとうございます。さあ、行こう。」
着物の女とあいさつを交わすと、お互い歩き出した。
(綺麗な人・・・)
あの人も占い師って言ってたよね?
わかる気がする。
立ち振る舞いとか、仕草とか、なんかオーラみたいなのがあってひきつけられた。
(というか、瑞希お兄ちゃんの行きつけの店が『占いの館』なんて・・・)
意外と、そういうこと信じる方?
(また1つ、瑞希お兄ちゃん情報をゲット!!)
〔★凛のLOVEデータが更新された★〕