彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「ち、違います!わ、わ、私!」
「いいから、いいから。」
私の遠慮を笑顔で無視する好きな人。
「おーい、俺だ!入るぞ~!?」
そう言って、コンコンとノックしてから、親しげに声をかける瑞希お兄ちゃん。
そして、慣れた動きで扉を開けた。
ギィイー!
(うわあああああああ!神様!)
ついに、瑞希お兄ちゃんの彼女と対面!?
できれば、彼女をつくる前に再会したかったー!!
「お、いらっしゃーい、瑞希~♪」
「来たぜ~烈司~!」
そんな楽しそうな声で、嬉しそうに名前を呼んで!
烈司って言うのね!?
瑞希お兄ちゃんの彼女の名前は烈司ですか!?
れい・・・・
「へ?」
(烈司!?)
聞いたことある名前に、閉じていた眼を開ける。
瑞希お兄ちゃんに引っ張られ、踏み込んだ部屋の奥を見る。
「ここでは、LEON(れおん)って呼べよ~瑞希?」
「何がLEONだよ?すかしやがってー?」
そこにいたのは女性じゃなくて男性。
ステキなテーブルに手をついて、煙草を吸っている。
前髪を下ろしていたが、わかった。
リーゼントじゃないけど、間違いない。
(宗方烈司さん・・・・・!?)
龍星軍の初代親衛隊長で、頼りになるお兄さん。
私と目が合うと、タバコの火を消しながら言った。
「こんばんは~瑞希君の親友で、占い師のLEON(レオン)で~す♪なーんでも、占ってあげるよぉ~?」
(・・・・占うって・・・・・)
相手の言葉を聞いて思う。
瑞希お兄ちゃんの彼女じゃなくてよかったけど。
彼女なくて、親友でよかった。
親友でよかったけど、ちょっといろいろ待って。
(占い師?)
瑞希お兄ちゃんの親友が占い師?
いや、瑞希お兄ちゃんの親友は烈司さんだから、その烈司さんが・・・・占い師・・・!?
(うらっ・・・・・ええええええええええ!!?)
占い師って、ええ!?
え!?
ええ!?
ええええ―――――――――――!?
(あなたが占うの!?)
それも占う側!?
元ヤンで、元親衛隊長で、バイクが得意で、ヘビースモーカーの――――――――!?
(烈司さんが占い師――――――――――ぃ!!!?)
あまりの展開に、頭がついてこない。
すぐには理解できなくて、しばらく瑞希お兄ちゃんの側で固まっていた。
〔★占い師・烈司登場、凛は混乱してる★〕
~トラブル注意報!『僕』は天気で、『私』雨!?~完~