彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「お嬢さん。」
「ひゃ!?は、はい!」
今まで以上に警戒し、高い声で返事する。
もちろん顔は下向き。
「ははは!そんなに警戒しなくていいよ?いじめっ子に、つきまとわれてるんだって?」
首を縦に振る。
声を出さない私に、くすっと笑いながら烈司さんはしゃべる。
「なるほど、なるほど。じゃあ、今のお兄さんが助けた後も、ここまで尾行してきてるかもねぇ~」
「え?」
(そんなのあり?)
ちらっと目だけで上げれば、両掌を合わせて組み、その上に顔を乗せている烈司さんが見えた。
ニコニコしながら私を見ている。
(・・・なんか、いつもと雰囲気が違う・・・・)
元々男前だけど、前髪をロしているせいか甘いマスクに見える。
来ている服も、普段よりは派手だけどスタイリッシュでカッコいい。
硬派ヤンキーが、ちょい悪ホストになっている。
(まぁ・・・ハンサムはどうやっても、ハンサムってことなのかな・・・?)
〔★凛は褒めているようだ★〕
「せっかく、うちのマダムがジュースとお菓子を持ってきたから、食べながら占いでもしようかー?」
「え!?出来るんですか?」
「出来るよん♪」
(口調も甘い・・・・)
まるで、女子に合わせるような優しい言い方。
持てる男の口調に似ている!?
〔★女の子向けモードだった★〕
「なに占ってあげようか?」
「え・・・でも・・・」
うっかり返事をして困る。
これ以上会話して顔を見られたら、気づかれてしまう!
「あの・・・私、今お小遣いがないので~」
一番わかりやすい方法で断る。
「あ、いいよ、いいよ♪お代は、さっきのお兄さんにつけるから♪」
「ええ!?だったら、もっとダメでー!」
「あ、嘘嘘♪お嬢さんが可愛いから、サービスサービス♪」
「ええ!?切り替えはやっ!?」
〔★ノリが軽かった★〕
「お嬢さん、真面目でしょう?あんまり、硬くならず、真剣に考えすぎない。ここでは気楽に、ね?」
「う・・・・・」
「さて。それじゃあ、何を占おうか?」
(に、逃げれない・・・!?)
ポキポキと指を鳴らし、身構えている烈司さん。
〔★違った意味で追いつめられている★〕