彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



飯塚アダムめ!!

やっぱり私を、解答用紙扱いしてたってことね!?



(ホント、ムカつく!)



「うんうん、怒っていいことだよ~お嬢さんがそう思う気持ち、ホント正しいからね~♪」

「LEONさん!」



怒っている私に、甘い口調で慰めてくる烈司さん。

そして、机のカードへと目を落としながらクールに語る。



「この男が、いじめのボスと付き合ってる理由は、自分が幸せになれるからだよ。」

「自分が幸せ??」

「そう!自分中心だから、他人がどうなろうがどうでもいい。利害関係が一致して交際してるんじゃないかな?」

「り、利害関係??恋愛は、愛で成立するものでしょう?」



途端に、相手の動きが止まる。



「・・・。」

「ど、どうしました!?」

「・・・・いや・・・・ちょっと、手相も見ていい?」



今までとは違う、震える声で言われる。

不審に思いつつも、恐る恐る手を差し出す。

その手にカードを触っていた手が触れた。

私の手のひらに視線が注がれる。



「あー・・・・ずいぶん、苦労してるね。お嬢さん?」

「く、苦労ですか?」

「正直、親の言いなりで生きて来たでしょう?」

「え!?そ、れは・・・」



言い返せない。

そんな私に、占い師のLEONがささやく。



「右と左で手相が違う人は、波瀾万丈が多いからね~」

「え!?今、不吉な予言されてます!?」

「誤解だよー♪いろんな体験と出会いがあるって意味♪はい、お守りあげようね~」

「ええ!?」



茶化すように言われた瞬間、冷たい感触がした。

私から手を離したと思えば、手のひらに『それ』が乗っていた。




「可愛い・・・フクロウの形の石?」

「『オブシディアン』って言うんだよ~♪」




そう言って、私の手に握らせたのは黒い石。




「『オブシディアン』・・・?」




初めて聞く石の名前。

思わず、見つめてしまう。




「きっと御嬢さんを守ってくれるよ?」

「あ・・・」





優しく言うと、石を握った私の手を握る烈司さん。

それで思い出す。




(そういえば・・・初集会の時も、パワーストーンくれたよね・・・)




携帯みたいに持ち歩いてないけど、部屋の中に大事に隠してある。

烈司さん手作りのブレスレット。

思い返せば、占い師じゃないかって気づくチャンスは何度かあった。

勘がよくて、電話が来ることや、どっちに進むと危ないかとか言い当ててたのに気付けなかった。




(まさか、占い師だったなんて・・・・)




今はなしてることも、誰にも言ってないのに、どれも正解。

すごい。



〔★驚異の的中率だ★〕


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