彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
軽いお祓い・・・・おまじないも受けて、「占いの館」を後にする。
「もう少しでお別れっていうのは、残念だね~?」
「すみません、お見送りまでして頂いて・・・」
夕日が傾く中、烈司さんと並んで歩く。
彼は危ないからと、タクシーを呼んでくれた。
「呼んだタクシーのおばさん、素人尾行ならすぐに気づくから安心だよー?」
「あ、ありがとうございます・・・」
(逆に不安・・・・)
運転手、おじさんじゃなくて、おばさんが運転してるの!?
女性の社会進出は嬉しいけど!
尾行に気づくタクシーって何!?
〔★ツッコミどころ満載だった★〕
お店に近い、車が止まれやすい場所まで行く。
夜に近いということもあり、出歩いている若者が多い。
(というか・・・さっきからすれ違う人、ガラが悪いな・・・?)
ヤンキーらしい若者たちなのだが、まるで誰かを探すようにしている。
それを気にしていた時だった。
プップッー!
「LEON~!」
合図のようにクラクションが鳴る。
「え?」
見れば、運転席から顔を出したおばさんがいる。
しかもタクシー。
(あれ?今、LEONって・・・?)
「万佐子さーん!」
「ええ!?」
その声に、隣にいた烈司さんが反応する。
タクシーは私達の前で止まる。
「LEONちゃ~ん、ご指名ありがとう!」
そう語るのは中年のおばちゃん。
おばちゃんの言葉が似合うおばちゃん。
頬を染めながら烈司さんを見ている。
「当然ジャンか、万佐子さん?俺、万佐子さんのタクシーしか乗らないよぉ~」
「あーん!いつも調子いいんだから~」
(なんだこれ・・・)
そのやり取り、まさしくホストと客。
〔★凛は何かを感じている★〕