彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



結構大きな音を立てて、チューする烈司さん。



「なっ、え!?はわあわあ!?」


驚く私と、



「やーん、LEONちゃん♪」


うっとりする運転手のおばさん。



「おやすみ、万佐子さん。良い夢見てね~?」



ウィンクして、運転席の女性に言うと、私へと視線を向けるLEONさん。




「フクロウちゃんも、またね~♪」




驚く私へと屈み込むと、頭をなでながら言う。

固まっていたので、ほぼ不意打ちだった。





ちゅ。




「・・・ん?」





鼻の頭に何か触れた気がした。

そのまま烈司さんは車から出る。




「バイバーイ♪」

「LEONちゃーん!またお店に行くわ!指名するからね~!」




手を振る烈司さんに、運転手は目をハートにしながら車を発進させた。





(・・・・・・・・・ちょっと待って。)





烈司さんが、バックミラーの中で小さくなったところで我に返る。




「・・・・・・・・なに、今の・・・・・・?」

「え!?や、やだわー!LEONてば、あたしの冗談真に受けて~おばさんをからかっただけよ!誤解しないでね、お嬢ちゃん!?」


(そうじゃない。)




なんか、頭撫でるふりして、鼻に触れなかった?


烈司さん、私の鼻に・・・・





「ちゅうした・・・・?」

「きゃー!やだわー!おばさんが悪かったって!からかわないでよ!あ~恥ずかしい!」


(そうじゃない。)




私の鼻にチューしていきやがったよな・・・・?



自覚した瞬間、顔が熱くなる。




「ええぇええ――――――――――――――――――!!?」



無意識のうちに叫んでいた。




(な・・・なにあれ!?ええ!?烈司さん、職場では女ッタらしなのぉ!?)


なにやってんの!?

なにしてくれてんの!?

烈司さんてば、もぉぉぉぉぉぉ!!




「なにやってんですかぁ~~~~~!?」

「だ、だから、そんなに言わないでよ~!お嬢ちゃんの家はどこ!?マッハで、送ってあげるから!」




赤くなる私とおばさん。

一生懸命弁護する運転手の言葉は、すべて耳から抜けていった。



〔★女2人の会話は成立した★〕
〔★しかし、内容はかみ合っていない★〕


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