彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



車内は、不思議なムードだった。



「ということで~LEONちゃんのおかげで、運気は上昇となったの~」

「わー・・・・すごい・・・・!」


(誰か助けてー・・・・!)



烈司さんの呼んだタクシーに乗っている万佐子さんは、烈司さんの占いの大ファンだった。

烈司さんのおかげで、どんなに自分やまわりが救われたか話しているのだが・・・



「ホント、LEONちゃんはすごい!この間も、あたしの友達が助けてもらって~」


(頼んでもいないのに、烈司さん武勇伝を延々と語られるとは・・・)



〔★いらないサービスだった★〕




(早く家についてほしい!)



ここまで、深刻に思ったのは初めてというぐらい話し続ける。



「ちょっと、聞いてるの!?」

「え!?き、聞いてます!」

「ならいいけど、聞かないなら捨てていくよ!?」

「ちょ、職務放棄しないでください!」

「だったら、LEONちゃんの話を聞く!LEONちゃんがうちのお父さんにくれたお守りの石の名前は!?」

「コーラルです!」

「正解!それでね~石にまつわる、良い話もあって・・・!」


(おばさん、どんだけ話すのー!?)



車の運転同様、ノンストップで止まらない。



〔★いじめよりもきつかった★〕




(あーあ・・・私だって、お兄ちゃん達にはバレなかったけど、散々だよ・・・・)




明日の学校どうしよう。

不吉な予感しかしないよ。



(というか・・・今日聞いた話が本当なら、いじめの件、きちんと扱ってくれないかも・・・)



関心なかったとはいえ、渕上にあんなステータスがあるとは・・・



(カンナさんに頼りたい気持ちもあるけど・・・これは私の問題・・・・)



自分で解決しなきゃ意味がない気がした。





(とはいえ・・・烈司さんの占いがどこまであたるか・・・・)




全体的に、彼の言っていることは当たっていた。


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