彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



店舗兼事務所のガレージ。

そこで整備の終ったバイクにまたがった。



「凛、気をつけて行けよ!」

「はい、瑞希お兄ちゃん。」



可児良信の拉致を受け、彼を助けるために1人で出かける。

そんな私に瑞希お兄ちゃんが言った。




「凛、携帯貸せ。」

「え?はい、どうぞ。」




言われて手渡せば、瑞希お兄ちゃんがポケットから何か出す。




(イヤホン?)



耳につける器具。




「ほら、これ耳につけとけ。」

「え?なんで??」

「奴らが、リンチ場所を移動するかもしれねぇーだろう?」




そう言うと、私の携帯と耳に差し込む瑞希お兄ちゃん。



「そん時は、携帯で凛に知らせっから!」

「え!?そんなことできるんですか!?」

「烈司ならな?今も、地図とにらめっこしてるだろう?」



(言われてみれば・・・・)



ガレージに向かう時、烈司さんだけ部屋に残った。

お店から移動する時も、椅子に腰かけ、ジッと地図を見ていた。



「あの・・・僕のシャツ、置いて行かなくていいですか?」

「大丈夫だ。一度見つけたら、見失うことはねぇーよ。」

「そうですか・・・」

(すごいな、烈司さん・・・)



女ったらしなのかと思ったけど、ちょっと見直しました!





(むしろ、透視とかすごい!)


「うはははは!すごいのぉ~!」





実際、そう思ったのは私だけではなかったみたい。





「君は・・・ごじゅうあらし君。」

「うはははっは!ヤマトでえーよ!わしも、凛って呼ぶからのぉー!」





出会ったばかりの関西人が、陽気に話す。





「いや~わし、はじめじゃわ!超能力者に会うの!」


ストン!

「え!?ちょっと!?」




そう言って感心しながら、私の後ろに座る関西人。




「何で乗るの!?」

「協力するゆーたやん~!?うははははは!」

「言ってくれたけど!いや、君まで来るのはちょっと~」


(目立ちそう・・・・)




そんな思いで、言葉をにごしたけど・・・




「なんや~!?照れ屋かいな!?うはははは!ますます、気に入ったわ!」

「気に入ったって・・・・」




照れてるわけでもないけど・・・





(このタイプに、遠まわしで言うのはダメってことね・・・・・・)




〔★伝わっていなかった★〕


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