彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「さっき別れたばかりでしょう!?そんなに僕って、危なっかしい!?」
〈ごめんごめん・・・ははは!〉
なにか変化があったのかと思って聞けば、笑いながら返されるが。
〈ははは、はぁー・・・はぁー・・・!〉
「・・・?烈司さん?」
しゃべり方が変だ。
笑っている声が、まるでマラソンセンスの息継ぎみたい。
「どうしました?なんだか、呼吸が変ですよ?」
〈なんでもない、ない・・・・で?今どこら辺?〉
誤魔化すように言われ、話す気がないのだとわかる。
気になったけど、聞かれるまま答えた。
「どこって、まだ出たばかりです。瑞希お兄ちゃんは?」
〈ホント、瑞希が好きだねぇ~・・・あ、戻って来たわ。瑞希に代わるな?〉
「あ・・・お願いします。そういえば、ヤマト君はどうなりました?」
〈ああ、レベル3になったガキのことか?知らねぇな~おーい、瑞希!〉
「レベル2じゃなくて!?」
〔★情報は更新されていた★〕
「レベルアップしてますが、大丈夫なんですか!?」
〈瑞希~凛たんは瑞希が良いって~電話変わってくれ!〉
どういうことかと聞いてみるけど、烈司さんは答える気がなさそうだ。
「ちょ、もしもし!スルーしないで、烈司さん!?答えて下さいよ!もしもーし!?」
〈おう、代わったぞ~凛?〉
「瑞希お兄ちゃん!?」
聞き取る前に、電話の相手が変わる。
〔★選手交代、烈司は退場した★〕
〈どうした、どうしたー?さっき別れたばっかなのに、もうホームシックか?大声出して~〉
「どちらかと言えば、ショックです!」
事情を知らない瑞希お兄ちゃんはのん気に言う。
それでも、とりあえず聞くだけ聞いてみた。
「瑞希お兄ちゃん、今ヤマト君の最新情報を聞いたんですが、彼は大丈夫なんですか!?」
〈凛、電話はこのまま繋いどけ。なんかあったら、俺らにすぐ聞けばいい。〉
「お兄ちゃんまで、その話題をスルー!?」
「しつけは、最初が肝心だからよ。」
「お願いですから、ほどほどにして下さいよ!?」
瑞希お兄ちゃんまでもまともに答えてくれない。
(いや・・・ある意味、遠まわしに答えてくれてるのかな・・・・)
どちらにせよ、もう誰も教えてくれないと思う。
(私が帰るまで、ヤマト君が無事でいることを祈ろう・・・)
〔★凛は質問をあきらめた★〕